はじめに
本文書は、Syno International (以下「Syno」)
における技術的な枠組みとプロセス、およびデータの収集、処理、およびレポート作成の際に高品質を維持する当社の取り組みを説明することを目的としています。本文書では主に 4
つの分野を重点的に扱います:
1 アンケートの品質
データ収集の際には、そのような収集を可能にするアンケートなどのツールが高い品質を保ち、回答者の期待に応えることが重要です。このセクションでは、Syno
が高品質のデータ収集をどのように行うかを説明します。
1.1 デバイスに左右されないアンケートのニーズ
1.1.1 Syno のデータ収集の特許技術である SynoTool 内で過去 24
ヶ月間に収集された統計情報によれば、全回答者の 40–60%
はスマートフォンまたはタブレットデバイスからアンケートに回答しています。従って、参加者がどんなテクノロジー製品を使っていても回答できるような、あらゆるデバイスで動作するオンラインアンケートのニーズが存在することは明らかです。—
1.1.2
SynoToolは回答者が使用しているデバイスを自動的に検出し、デバイスの種類に応じてアンケートのデザインを調整することができるため、すべてのユーザーを満足させるアンケートを提供できます。また、適合するビデオとオーディオのフォーマットをサポートしているため、モバイルデバイスでも動作します。
1.1.3
モバイルデバイスで回答しやすい質問を用意することは重要です。例えば、表形式の質問に関しては、スマートフォンやタブレットを使用する回答者から不満の声が上がっています。この問題への対応として、SynoTool
は回答者がスマートフォンまたはタブレットを使用していることを自動で検出し、それらが使用されている場合は表形式の質問を複数の質問に分割する機能を開発しました
1.2 言語
1.2.1 多くの場合、アンケートは回答者の母国語で用意される必要があります。SynoTool は 62
の主要言語と 14 の地方語に対応しており、回答者が自分にとって最適な言語を選択する 1
つのアンケートリンクを作成することや、言語ごとに異なるアンケートリンクを事前に設定することができます。
1.2.2
質問の文言は重要です。回答者に尋ねられている内容や回答方法が明確に伝わらなければなりません。さらに、回答選択肢についても、回答者が誠実かつ真実な回答を出せるように、十分に検討する必要があります
(「分からない」、「その他」、「該当なし」のような選択肢を用意することが含まれます)。
1.2.3 質問と回答選択肢が不明瞭であったり、わかりにくかったりすると、あらゆる準備や労力が無駄になりかねません。Syno
では、一流のグローバル調査企業の経験豊富な多数のエキスパートの協力を得て、可能な限り正確な回答を用意できるように努めています。
1.3 アンケートの長さ
Syno のデータによると、回答開始から 15
分以上が経過すると、回答の品質が低下する傾向が見られます。高品質の回答を得るためには、アンケートをできるだけ短くすることが推奨されます。最適な時間は 10
分未満です。多数の質問が必要な場合は、アンケートを 2
回に分けて行い、同一の回答者の回答をリンクで一緒にまとめることが推奨されます。
1.4 検証
Syno
のオペレーションチームがアンケートを作成し、テストを実施した後の最終ステップとして、当社ではアンケートを公開する前にお客様が自らアンケートに回答することを推奨しています。回答者としてアンケートに回答することで、誤りに気付くだけでなく、質問がイメージ通りに仕上がっているか、わかりやすいか、長さが適切かどうかを知ることもできます。
2 オンラインパネルのデータの品質
Syno
のデータ収集の大部分は、オンラインパネルの協力により実施されます。そのため、このセクションでは、オンラインパネルの品質を高め、適切な集団を対象にアンケートを実施するための方法について説明します。
2.1 回答者の募集
2.1.1 Syno は、密接なパートナー関係にある Cint
をはじめとする厳選された多数のオンラインパネルプロバイダと提携しています。当社は各プロバイダに対し、継続的な評価プロセスを導入しています。評価プロセスで重要なポイントは、透明性と管理です。当社はできる限り一貫したサンプル選択を行えるように影響力を行使し、そのようなサンプル選択を求めます。その他の要素には、回答した通りの国に登録者がいるかどうかを確認できる
Geo-IP 検証技術や (人間以外が処理を行う) 自動登録を防止する Captcha
などの技術を使用するパネルパートナーの選定などがあります。
2.1.2
当社は、ほとんどの市場調査プロジェクトで最新の手法と技術を高品質のパネルプロバイダと組み合わせることが最善だと考えています。これにより、幅広い個人が回答者として参加するようになり、特定のオンラインパネルに特定の理由により参加する個人も回答者に含まれるようになります。—単独の募集元から特定のパネルを利用するだけでなく、複数のパネルを組み合わせて利用することで、あらゆるタイプの個人を対象とする代表的なサンプルを集めることを狙いとしています。
2.2 Syno が利用するオンラインパネルの典型的な募集元:
2.3 謝礼
Syno
では、良好な回答率を出した回答者に謝礼を提供しています。よく利用される謝礼の例としては、寄付先を選べる慈善団体への寄付、映画チケット、プレミアムメディアコンテンツへの無料アクセス、ギフトカード、無料インターネット/データ利用などがあります。さらに、Syno
ではパネルメンバーによる謝礼目当ての不正なアンケート参加を防止するためのチェックも行っています。
2.4 代表集団
アンケートから有意義な洞察を得られるようにするためには、できるだけ代表的なサンプルを集めることが重要です。どの調査方法にも限界はあります。Syno
は、CATI、F2F、オンライン調査の限界を認識しています。
2.5 オンライン調査に Cint プラットフォームを利用する際の自動品質チェック
2.5.1. Cint 独自の回答者技術および Imperium の関連 ID
を利用して、当社は回答者の重複を防止しています。また、当社は回答のスピードが速すぎる、スピーダーと呼ばれる回答者に対抗するための Cint
の不正検出サービス、Geo-IP 検証技術を利用して回答者がプロジェクトの対象国にいることを確認できる MaxMind
の Geo-IP チェック技術、さらに
VPN/プロキシ検出チェックも利用しています。不正な回答者やパネルメンバーを排除するためのチェックには、Apility
の禁止 e メールデータベースや Firehol の IP データベースも利用されています。
2.5.2. Syno は、回答者の重複の防止に Cint
独自の回答者技術を利用しています。回答者はステータスが以前に回答済み、完了済み、何らかの理由による終了以外の場合にのみ、アンケートを開始できます。Cint
の独自の回答者技術は、パネリスト ID とプロジェクト ID を含む http
クッキーを使用し、回答者が別のパネルメンバーとして以前に回答したことがあるプロジェクトを開始しようとした場合に特定します
2.5.3. また、Syno
は各プロジェクトに一意の共有識別子を登録するエンドリンクも使用しています。エンドリンクは改ざんや、アンケートに参加していないのに完了として登録される参加者を防止するため、セキュリティが向上します。—これに代わるより安全な技術的な取り組みとして、SynoTool
と Cint の間の API コールが現在進められています (2019 年 7
月現在)。
3 データ処理・レポート作成の品質
データの処理とレポート作成には、どの市場調査企業も直面する様々なオプションと選択肢があります。Syno
は回答者の実体験をお客様にお届けできるように努めています。このセクションでは、どのようにしてそれを行うかについて説明します。
3.1 データ管理
3.1.1. Syno は、すべてのデータ管理に関してドイツのフランクフルトと日本の東京に拠点を置く Amazon Data Services
のサーバーを利用しています。
3.1.2. Syno はデータ処理、データクレンジングおよび表形式化に SynoTool
プラットフォームを利用しています。SynoTool は幅広いデータ処理の選択肢を提供します。お客様が SynoTool
では対応しづらい特別なニーズをお持ちの場合、当社が主に使用するのは SPSS
ソフトウェアです。データクレンジングは、様々な手法を用いて回答者がアンケートに回答する時間が短すぎないか (いわゆる「スピーダー」)
どうか、不正な方法で回答していないか (すべての質問に同じ回答をしていないか、自由回答に不適切な回答をしてないか)
どうかを定期的にチェックします。
3.1.3. Syno
は、不正な回答者が一切のレポートに含まれず、調査から得られたデータや洞察にいかなる形でも偏りが入らないようにするために、データクレンジングを実施します。
3.2 レポート作成
3.2.1. Syno
はわかりやすく読みやすいレポートをお届けします。当社は、ごく一部の回答者の区分のみならず、すべての回答者の実体験全般を把握し、お客様の洞察取得をお手伝いできるデータ提供に自信を持っています。—
3.2.2.
各プロジェクトで、お客様のビジネスニーズに対応するために必要となる形式と手法でお客様に合わせたレポートを作成し、求められている洞察をお届けします。当社ではあらゆる技術を駆使して、生データ、表形式の
Excel、SPSS、CSV データファイル、PowerPoint
のグラフから、分析レポート、カスタムダッシュボードのオンラインデータの視覚化、その他のプラットフォームとの API 接続を行います。
4 一般的な品質プロセス
Syno
の品質管理は当社の取り組みの中心です。以下に、当社のあらゆるレベルで討議されている品質管理の分野をご紹介し、当社の品質ガイドラインが目指す方向性を説明します。
4.1 Syno の責任範囲とお客様の責任範囲
場合によっては、Syno
のプロジェクト責任者とお客様の間の責任範囲の境界線が明確でないことがあります。当社は、お客様とやりとりする中で、ミスの発見やアンケートデザインの改善などの質問に明確にお答えできるように努めています。Syno
はお客様と協力しながら、回答者の体験とプロジェクトの全体的な品質改善に努めます。Syno は常に、当社従業員が実施するプロジェクトに全面的な責任を負います。
4.2 一般的な安全性
Syno は安全で安心なオフィス、サーバー、一般情報ストレージを利用します。当社はあらゆる市場で、関連するデータ規制に準拠します。
4.3 GDPR 準拠
当社の GDPR 準拠の詳細は、こちらをご覧ください:
4.4 ESOMAR 準拠
Syno International は、データ、調査、および洞察の専門機関の利害を代表する会員制国際組織である ESOMAR
(ヨーロッパ世論・市場調査協会) に準拠します。また、Syno は ICC/ESOMAR
の市場、世論および社会調査およびデータ分析における国際行動規範にも準拠しています。
5 お問い合わせ
当社の品質に関する取り組みとプロセスにご興味をお持ちの方は、こちらまでお問い合わせください: info@synoint.com
5.1. 変更について
5.1.1. 本文書の主な最新版はこちらに掲載されています: synoint.com/legal/