CEO Blog #14「顧客の声、聞いて終わりが一番立ちが悪い」

気づけば2021年も折り返し地点ですね。最近は、ありがたいことにJETRO主催デジタルセミナーや地方新聞社向けのE-learningの講師として、人前で特定多数の方にお話するという私の最も苦手とする領域のお仕事を頂き、「コキャクノコエノカツヨウ」といったカ行の連続に、改めて自分の活舌の悪さを実感させられる毎日です。ということで、今回のCEOブログは先日JETROセミナーでお話させて頂いた「顧客の声の対価」についてお話しします。

ビジネスの成功は顧客の声にあり

 「競争力の源泉は、メーカーながら世界中の顧客の声を聞くという直接販売体制を築いたことにある。」ハーバードビジネスレビュー6月号「変わる営業」の「品質とは顧客満足であり、経営とは環境適合である」というシスメックス社代表取締役の家次氏のインタビュー記事からの引用です。同社は、190以上の国や地域でビジネスを展開し、海外売上高は84.5%を占めており、グローバルで成功している国内B2B企業の一社です。成功の鍵をあえて自社の技術力とせず「顧客満足」としている点に、顧客体験ファーストと言われるこの時代において、本雑誌のタイトル「変わる営業」通り、B2B企業の営業方法も変革期を迎えていることを改めて実感します。

コロナ禍における顧客の声を活用した海外ビジネス

 コロナ禍で海外渡航が制限される中、顧客の声を活用した海外ビジネスも大きな変化を求められています。現地での商談会や展示会を通じて現地の声を収集し、販路を開拓していくという、従来の方法が実質出来なくなっています。そこで日本にいながらできることということで、越境ECサイトやリモート展示会の活用といった新しい手段を採用する企業も増えています。今回のJETROセミナーでは、このような新たな海外との接点を活用し、顧客の個人情報を取得する仕組みを構築し、継続的にアンケートを行い、その結果を元に現地の目線にあった商品開発やローカライズ、実際の販促に活用していく方法をご紹介しました。

顧客の声に対する対価

そこで重要なのは、個人情報の登録やアンケートを依頼する際、顧客が自身の情報を企業に対して提供したくなる仕組みを構築できるかが鍵となります。これを「顧客の声に対する対価」と言います。「対価」と聞いて、ギフトカードといった金銭的なものを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、それ以外にも、自社商品の無料トライアルや自社のノウハウが詰まったホワイトペーパーなどの情報も企業が提供できる貴重な対価です。またモノや情報だけではなく、企業が実際にどのように顧客の声を活用して、お客様にいかに還元していくか?といったという、顧客へのメリットを正しく伝えることも、顧客の声の提供のモチベーションを上げる対価となります。

顧客の声に対する対価は、自社の姿勢を映す鏡

顧客の声に対する対価は、自社の姿勢を映す鏡です。「この企業に自身の声を伝えたら、結果が形になって返ってくる。だから、引き続き声を伝えていこう。」こういった関係を顧客と構築することができたら、金銭的な対価はもはや必要なくなります。逆に、前回も同じようなこと聞いてたけど、何も改善されていない。反応がない。といった意見が出てしまうと、顧客の声を聞くこと自体が逆にマイナスになってしまう場合もあります。顧客の声を聞くこと自体が目的になってしまうことが、一番立ちが悪いということです。

明日は我が身。お掃除コンサルタントの家が一番汚いといった事態に陥らないためにも、顧客の声の収集から活用するための仕組みを提供するシステム会社として、自社の顧客やパートナー企業、そして従業員の声に真摯に耳を傾け、声を提供する価値がある存在になれるように精進してまいりたいと思います。

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