日本酒の海外展開 | Synoのデータからみるシンガポール・フランスのアルコール市場

Syno Trendでは、最近話題になった日本企業の海外展開の事例を取り上げ、展開先の国情報や市場の魅力をSynoのデータセットを用いて分析します。

今回取り上げるのは、日本酒の海外展開です。2020年2月の日本酒造組合中央会のデータ*によると、日本酒の輸出量は10年連続で増加しており、特にアメリカ、中国、韓国への輸出量が多いといいます。この日本酒の世界展開を広めるべく、国や企業が他国へも日本酒の展開を進めています。

日本酒スタートアップのWAKAZEは2019年からフランス、パリの酒蔵で清酒の醸成を初め、フランス市場で販売を行っています*。加えて、フランスでは2017年からKura Masterという日本酒コンクールが始まり、フランスをはじめとしたヨーロッパの方々が審査員としてコンクールに出る日本酒を評価します。

また、最近話題になったのは、茨城県の日本酒シンガポール展開です。茨城県は2020年12月から1月末にかけてシンガポールの飲食店8店舗で「茨城県地酒フェア」を開催しました。官民で日本酒のシンガポール展開に力を入れており、県からの支援を受けて海外に販売する企業が増えているといいます。

このように世界に広がっている日本酒ですが、今後世界に展開して行く際、どの国を展開先として選ぶかが大きな課題です。

そこで今回は、近年日本酒の展開先となり日本酒ブームが始まりつつあるフランスとシンガポールを例に挙げ、Synoのデータセットを用いて2国の消費者の消費行動を深掘りしていきましょう。

目次
  1. 消費頻度の高い飲料品
  2. アルコール消費の頻度
  3. まとめ

消費頻度の高い飲料品

フランス

フランスはワイン大国とも呼ばれ、多くのワインの産地があることで有名です。しかしデータを見てみると、決してフランスの人々のワインの消費頻度が他国と比べ高いわけではないということがわかります。ワインの消費量だと常にランキング上位を飾ることが多いフランスですが、消費頻度は少なく、一度に飲む量が多いのかもしれません。

一方、ランキング下位にあるシャンパン、ウイスキー/スコッチ/バーボン、ラム酒やシードルなどは他国の平均と比較すると消費頻度が高いことがわかります。つまり、フランスの人々はアルコールにおける絶対的な好みがあるわけではなく、幅広い種類のアルコールを嗜んでいることがわかります。

シンガポール

シンガポールはアルコールだと赤ワインの次に輸入ビールが人気なのが面白い点です。もちろんシンガポールの国産ビールも人気ですが、海外のビールを多く輸入し、その中で日本のビールも好まれているようです。

また、フランス同様シンガポールも、ランキング下位のシードル、ヴォッカ、ウイスキー/スコッチ/バーボンなどといったアルコールが他の国と比べ比較的多く消費されていることがわかり、幅広い種類のお酒が人気なことがわかります。

加えて、グラフの一番下の「その他」と回答した人が43.2%であることから、シンガポールではランキング内の飲料の他にも多くの選択肢があるとこが伺えます。

アルコール消費の頻度

フランス

フランスでは、一番割合が多かったのが週に1~3回アルコールを消費するという回答で、アルコールを飲まないと回答した人が23%と、全体の平均より多い割合でした。頻繁にアルコールを摂取する人ばかりではないものの、適度に楽しむ人が多い印象です。

Forbesによると、仏政府が2019年に国民に対しアルコールの消費量を1晩2杯に減らすよう奨励する取り組みを始めたことから、フランスをはじめとしたヨーロッパ諸国でノンアルコール人気が高まっていると言います。*お酒を楽しみながらも、消費量を減らしたりノンアルコール飲料に置き換えるなどアルコールに対する意識が変わりつつあるような印象を受けます。

全体との比較だけではピンとこないため、日本のデータとも比較してみましょう。日本はアルコールを飲まないと答える回答者の数が全体と比較して多いのに加え、10回以上飲むと答える回答が13.1%と、こちらも全体と比べてかなり多い割合です。つまり、アルコールを全く飲まない人と頻繁に消費する人の両極端な消費者を抱える国であるということがわかります。

そんな日本とフランスを比べると、「アルコールを飲まない」と回答する人は日本よりもフランスの方が少なく、週に1~3回飲むと答えた人は日本よりも多いです。すなわち、フランスでは全体的にアルコールを消費する人、そして頻度も日本よりも多いものの、週に10回以上など毎日のようにお酒を嗜む層は少ないようです。

シンガポール

シンガポールはアルコールを飲まない人、1週間に1度よりも少ない頻度と回答した人が50%と、アルコールを頻繁に飲まない人が半数以上であることがわかります。

シンガポールでは2015年から法律により、平日20:30~朝7:00まで、休日20:00~朝7:00までの間公共の場における飲酒が禁止されました*。この法律の影響で飲酒の機会が減ったことも理由の一つかもしれません。

一方、週に1~3回、4~7回と頻繁に消費する人も38.2%と少なくありません。しかし、全体的に見て飲酒の頻度が低いため、限られた飲酒の機会にいかに日本酒という選択肢を選んでもらえるかが鍵となります。

こちらも日本のデータと比較すると、シンガポールと日本はアルコールを飲まないと答える人が同じくらいの割合存在することがわかります。日本は全く飲まない人と多く飲む人が両極端ですが、シンガポールでは4回以上消費すると答える人が少なく、アルコールを消費するとしても適度な量で抑えている人が多いようです。

まとめ

フランス、シンガポールとも、ランキング上位は一般的に定番の飲み物やアルコールですが、人気の種類の他にも幅広い種類のお酒が消費されていることがわかります。アルコールの好みは国によって異なるものの、各国に適したアプローチ方法をとることにより認知度を高めファンを増やすことができるのではないでしょうか。

また、展開する国によってアルコール消費における習慣、法律が異なるため、そのような背景もアルコール消費に影響しています。そのため、各国への印象やステレオタイプで展開先を決定するのは非常に危険です。海外展開を行うにあたり、デスクリサーチだけではわからない現地の消費者のニーズを把握するには、より客観的なデータに基づくリサーチが鍵となります。このようなデータドリブンな意思決定を行うために重要なのがグローバルリサーチです。

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