海外で商品の販売を行う日本企業やブランドが年々増える中、海外展開を視野に入れている方も多いのではないでしょうか?ブランドを海外に展開するとなれば、販売プラットフォームの選定、在庫保管場所の確保、海外用ホームページの作成など、やることは尽きませんよね。
でも、そもそも海外の人に需要があるのだろうか、商品のコンセプトをわかってもらえなかったら?商品をそのまま海外で販売して問題ないのだろうか、などと悩んでしまい、なかなか足取りが重くなってしまうことが多いと思います。
日本の商品は開発の段階から日本の消費者をターゲットとして作られている場合がほとんどです。そのため、海外ユーザーにとってはあまり見慣れていない商品やコンセプトを持つものもあります。
これらの海外展開における悩みを解決するのが海外リサーチです。販売先の海外での市場調査を行うことで、現地に需要があるか見極め、現地の人に親しみを持ってもらえる販売の仕方を知ることができます。
そこで本記事では、ブランドの海外展開に欠かせない海外リサーチの必要性と調査方法についてご紹介します。
目次
1.マーケティングリサーチの必要性
- 需要の有無
- 商品の見せ方
2.調査方法
- 定量調査とは
- 定性調査とは
3. まとめ
- Syno グローバルコンセプトテスト紹介
1.マーケティングリサーチの必要性
なぜブランドの海外展開に海外リサーチが必要かというと、答えは簡単、日本と海外には様々な違いがあるからです。この日本と海外の違いを「需要の有無」と「商品の見せ方」の二つの観点から見ていきましょう。
需要の有無
日本では需要があるものの海外では売れない商品もあります。例えば、現地に競合が多い、競合が寡占状態、現地の消費者の信頼がない、または日本で設定したターゲット層が現地には少ない場合などです。
例えば、日本は少子高齢化社会のため、高齢者のための医療、介護、生活産業などの「シニア市場」は2025年までに100兆円規模となるという見通しですが、全ての国にこの現象が当てはまるわけではありません。日本において大きいターゲットを持つシニア市場を狙った商品は、高齢化が進んでいない国の市場では収益が望めません。
海外における商品の需要を知るために、人口統計学的なデータから他国の市場を調査したり、誰がどんな商品を購入しているかなど購買行動の傾向を知るためのアンケートデータを分析する必要があるのです。
商品の見せ方
我々には日々の生活の中で無意識に擦り込まれたイメージがあります。色やロゴなどから特定のお店や商品が連想されるように、商品の見せ方は現地の消費者が潜在的にその色や形に対して持つ視覚的なバイアスを含めて考えるべきです。
商品のパッケージや梱包の仕方も国によって異なるため、現地の人にとってどんなパッケージがその商品を連想しやすいかなど考えるといいでしょう。
また、色に対するイメージも国や文化により異なります。例えば、欧米では赤は赤信号、血、炎などから危険を連想する人が多いですが、中国で赤は国旗、春節などからお祝いをイメージする人が多いのです。
このような見せ方の違いは国の歴史的、文化的背景によって生まれるため、海外リサーチを行うことで現地に合う商品の見せ方を知ることが重要です。
2.調査方法
マーケティングリサーチの調査方法には大きく分けて定量調査と定性調査の二種類があります。定量調査は量、つまり数字に関する情報で、定性調査は記述的であり、言語など測定できないものを指します。
下記で定量調査と定性調査それぞれの代表的な調査方法をご紹介します。
定量調査とは
定量調査とは、アンケートなどで回収した調査対象者の具体的な数的データを集め、分析するための調査です。アンケートの選択式問題などを用いて、消費者の属性や興味、関心のある分野を調査することが可能です。回答方法が簡単で回答数を集めやすいことや、データが数値化されているためデータを客観的に見て判断できることが利点です。
定量調査の方法は様々で、会場調査、街頭調査などがありますが、web上でアンケートをし回答してもらうことができるネットリサーチが主流です。
定性調査とは
定性調査は、インタビューなどで回収した調査対象者の感情や意識と言った数字で表せない情報を集めるための調査です。定性調査を行うことで、売り出す商品の未来を予測することが可能で、販売予定の商品を海外に展開した際に現地の消費者がどのような反応をするかを事前に知ることができます。以下は代表的な定性調査の方法です。
・製品テスト
製品を実際に使用してもらい(もしくはオンライン上でみてもらう)、使用感や見た目を既存のプロダクトとの比較をして評価してもらうテストです。製品の質や使用した時の感想、プロダクトを実際に購入したいと思うかなどの質問をします。
・パッケージテスト
デザインやキャッチフレーズなどを評価してもらうテストです。パッケージ案を提示し、それぞれのパッケージのどの部分が一番目を引いたか、キャッチフレーズはわかりやすいか、お店に陳列された時見つけやすいと思うか、既存の商品のパッケージと何が違うかなどの質問をします。
・ネーミングテスト
ネーミング案をだし、それぞれの印象や比較した時の優劣を答えてもらうテストです。海外展開において言語は最大の障壁といえます。発音しやすいか、商品の内容とマッチしているかなど、商品の伝えたいメッセージが反映され、現地の人に親しみを持たれるネーミングを見つけるために重要です。
終わりに
本記事では、なぜ海外リサーチをする必要があるのか、そして海外リサーチの方法をご紹介しました。海外展開を行うにあたり、その指針となってくれるのが海外リサーチです。現地の声を聞き、データを分析することで、海外展開のプランニングからアクションまでをスムーズに行うことが可能になります。
Syno Japanは、世界各国への海外展開を見据えるお客様を対象とした海外リサーチのサポートを提供しています。Synoグローバル商品コンセプトテストでは、サービスをどのようなコンセプトで販売するかを決定するためのコンセプトテストの実行と、Synoの持つ80ヵ国の1億人以上のグローバルパネルネットワークを活用し、ご希望の対象のグループからアンケートを回収し、結果の分析をいたします。
コンセプトテストと分析結果をもとに以下のアクションを行うことで、越境ECにおける海外展開のROI(費用対効果)を最適化することが可能になります。
- 進出先の選択
- コンセプトのローカライゼーション
- 価格設定の見直し
- 商品概要の改善やSEO対策(キーワード)
- 改善点、購入基準、商品受容性などの結果を元にしたマーケティング(クリエイティブ)の改善
- 画像評価によるパッケージの制作やローカライゼーション
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