国によってこんなに違う車の好み。世界で人気の車は何? 車市場調査。

2003年、アメリカで電気自動車を生産しているテスラ社が産声をあげ、その報道を聞いていよいよ時代もここまで来たかと気分を躍らせたのを覚えています。ちょっとその前の1997年にトヨタは電気動力とガソリン動力の2つを備えたハイブリッド車を市場に送り世界の自動車産業に大きな影響を与えました。 近年では、空飛ぶ車なんてのも開発されていて、発展が楽しみな今日、この頃です。 

私は、高校の時から20代の社会人生活をアメリカで過ごしました。よって、高校と大学の頃、日本ではまずありえない”車通学”をしていました。世界中がようやく一家に車一台になろうとしている頃、アメリカではすでに一人に一台が当たり前でした。(当社記事参照)運転ができる年齢は州によって違いますが、早い州(主に田舎の州)では14歳で仮免を取れ、16歳で一人で運転できる州もあります。日本ではさすがにそうはいかなくても、地方に行くと車社会の地域もあるようで、車は今では、人々には欠かせない生活必需品となっています。

今回は、はたして、どのような車が購入又はリースされているか、アメリカ、フランス、中国、ドイツ、日本にて市場調査をしてみました。 最近、よく聞くハイブリッドは? 電気自動車は? セダンってまだ売れてるの? SUVや四駆は? 各国の生活スタイルなどに応じた興味深い結果となりました。

市場調査は、「あなたが、保有、リースしている車の車種は何ですか?」という質問に5か国にて答えていただきました。 複数所有している方には複数回答していただいています。

一番人気車は?

車を保有、リースしている車種調査(5か国合計)でトップ5ランクは下記のようになりました。 最近、話題になっているハイブリッド、電気自動車がトップランクに入っていなかったのは、私としては驚きでした。 逆にガソリン代がかかると、懸念の声を聴くSUVがランクインしているのも驚きでした。

<情報元:Syno Library>

トップ5のまとめ

  1. コンパクト – セダン/ステーションワゴン/ハッチバック
  2. SUV/クロスオーバー/4輪駆動
  3. 車を保有、リースしていない
  4. 小型車
  5. セダン

やはり総合バランスが一番とれているコンパクトカーが上位にきました。 購入価格、燃費、トランクなどの車内スペースを他の車種と比べても他種類の車に比べて多くの人の希望条件にリストアップされやすいのでしょう。各国別のランクでも(下記参照)全ての国にてランクインしています。 驚いたのがSUV(4輪駆動)がラインクインしている事です。 確かにSUVは大きく、運転もしやすく安心感があり、荷物もたくさん入るので、スポーツ好きな独身の方から家族持ちの方まで幅広いユーザーがいるのは確かですが、昔から燃費が悪いと懸念されているのも確かです。(もちろん改善もされていますが)

車を保有、リースしていないという回答が3位にランクインしていますが、実はこの回答をした約40%の方が日本からの回答者でした。それぞれの国にて、保有していない理由というのがありますが、車の製造メーカーの方々は、今後、この回答者がどのような車が欲しがるかというのが、マーケティング戦略の課題でもありますし、ビジネスチャンスでもあるのではないでしょうか。

国別による車種調査

下記の図は、上記と同じデータを国別(アメリカ、フランス、中国、ドイツ、日本にて調査)に分けてみました。

<情報元:Syno Library>

これを見ていただくと、”お国柄”がはっきりと表れてきます。 まず、上位にきたコンパクトカーをリードしたのはヨーロッパ勢のドイツとフランスでした。 総合ランクで4位に入った小型車をリードしているのもヨーロッパ勢のドイツとフランスです。 コンパクトカーのサイズといい用途といい、ヨーロッパの生活に使い勝手が良いのでしょう。 ヨーロッパではコンパクトサイズと小型車が売れていると言えるでしょう。

面白い結果を見せてくれたのがSUV(4輪駆動)の内訳です。コンパクトカーと小型車をリードしたヨーロッパ勢のドイツとフランスの数は大幅に減り、国土面積が大きいアメリカと中国がリードしています。 長距離を又は毎日を快適に運転したい、荷物を積みたいの需要に答えたのがSUVなのでしょう。 近年のSUV人気を証明する結果となりました。私が驚いたのが、MPV/ミニバンの項目でアメリカの数が非常に少なかった事です。アメリカでは、小さい子供を持つ家庭は、そのミニバンで子供を学校に送るというのを良く見るので、アメリカがリードするかと思いました。ひょっとすると、近年のSUV人気にて、ミニバンオーナーがSUVに流れたのかもしれません。 

ちなみに、2017年に設立されたVinFast(ビンファスト)というベトナム初の自動車メーカーが最初に生産したのは、SUVとセダンでした。(当社記事参照)世界中でSUV人気が出てきているようです。

アメリカのデータで1つ驚いた結果になったのは、ピックアップトラック。 あの大きな車の需要があるのは、この5か国ではアメリカのみ、きっと今後はSUVの傾向と同様に中国でしょうか? アメリカでは田舎にいくとピックアップトラックの需要はとても高いです。 というより、田舎に行くと、それしか買えないという地域もありました。 私が大学2年の時に住んでいたオクラホマ州の田舎では、当時、その地域にはフォードディーラーしかなく、しかも、ほとんどがピックアップトラックしか置いてませんでした。 他のメーカーや車種を買いたければ、車で約4時間位かけて隣町までいかないとないというような、ある意味”独占市場”でした。車でアメリカ国内をあちこち運転していると似たいような状況を見たので、アメリカの田舎はきっとトラックの独占市場と思ってました。ですから、もっと売れてるかと思いましたが、おそらく、上記のミニバンと同じく、近年のSUV人気にて、SUVに流れたのではないでしょうか。 別の市場調査をしてみる価値もありそうですね。 

日本が大きくリードしている”その他”のセクションですが、ここには、”軽自動車”が含まれていると思います。 軽自動車は、燃費、経費、サイズ、どれをとっても日本の生活事情にぴったりな車と言えるでしょう。 しかし、国によっては、このエンジンのサイズでは販売できない国もあり、世界ではあまり流行っていない軽自動車です。

全体の市場調査データとして驚いたのが、ハイブリッド・電気自動車です。 近年、トヨタのプリウスを筆頭にハイブリッド、アメリカのテスラの電気自動車の話題は注目の的でしたが、全体的にまだまだ売れてないという驚いた結果となっています。 やはりこれは購入価格の問題ではと思います。 同様な条件の車に比べ、ハイブリッド・電気自動車は、バッテリーの価格の影響でしょうか、購入価格が高くなっています。 もちろん、ガソリン代を安く抑えられるという大きなメリットがありますが、購入時に高い金額で経費の安い車を買うという”先行投資”のようになっているのが現状でしょう。 現実に、海外では、タクシーやUberをやっている人に人気のようですが、個人となると、ハイブリッド・電気自動車と同様なコンパクトカーで燃費が良いものにお客様が流れているのでしょう。

しかし、これはまだ市場調査データ上、普及していないだけであって、これからまだまだ伸びていく分野と思います。 同じ市場調査を10年後位にすれば、きっと上位に入っているでしょう。イギリスやノルウェーでは2035年までにガソリン車、ディーゼル車にての都心に乗り入れを禁止しようとする政策を発表しました。 おそらく他の国も早かれ遅かれ、似たような政策を打ち出す可能性は大いにありガソリン・ディーゼル車の販売は徐々に減っていくのではないでしょうか。

最後に注目したいのは、スポーツ・パフォーマンス車。

ハコスカ”、”トイチ”、”ドッカンターボ”という言葉に反応するカーエンスー諸君には悲しい結果が出てきます。 近年の若者の車離れや、お客様の購入動機の変化の現れでしょうが、スポーツ・パフォーマンス車の割合は大幅に減っています。 かつて映画「ワイルドスピード(Fast and Ferrous)」シリーズにも出ていたトヨタスープラ、日産スカイラインなど多くの日本を代表するスポーツカーは生産中止になっています。 近年、日産スカイラインとスープラは、新しくなって復帰しましたが、特にスカイラインは、かつての”スカイライン”とは違うものに見えるのは私だけでしょうか。 トヨタは最近、若者向けに86という一見、スープラを思い出させてくれるような車を発売し、海外では若者を中心に売れていて、とてもうまいトヨタの戦略に関心するばかりですが、やはりかつてのスポーツカーの味、スープラの優雅さ、スカイラインの華麗さやロータリーエンジンを搭載したRX-7の様なスポーツカーの味がないような気がします。

最後に上記の国別チャート・トップランキングをまとめてみました。

アメリカ

1.SUV/クロスオーバー/4輪駆動

2.セダン

3.コンパクト セダン/ステーションワゴン/ハッチバック

3.フルサイズ – セダン/ステーションワゴン/ハッチバック

5.車を保有、リースしていない

5.ピックアップトラック

フランス

1.コンパクト セダン/ステーションワゴン/ハッチバック

2.小型車

3.MPV/ミニバン

4.車を保有、リースしていない

5.セダン

中国

1.SUV/クロスオーバー/4輪駆動

2.コンパクト セダン/ステーションワゴン/ハッチバック3.セダン

4.小型車

5.車を保有、リースしていない

ドイツ

1.コンパクト セダン/ステーションワゴン/ハッチバック

2.小型車

3.車を保有、リースしていない

4.セダン

5.SUV/クロスオーバー/4輪駆動

日本

1.車を保有、リースしていない

2.その他

3.小型車

4.コンパクト セダン/ステーションワゴン/ハッチバック

5.答えたくない

番外編

一番下位にランクしているRV/モーターホーム/キャンピングカー。この割合は5か国の市場調査の結果、どこも1%前後でした。 さすがにこの車を使って通勤・通学する人はアメリカでもいないでしょう。(笑) このままキャンピングカー業界は衰退していまうのかと言えばそうでもなく、なんと2017年の米国内の売り上げは前年度より17%も伸び、約50万台が売れたそうです。背景にあるのは、ベビーブーマーのリタイアされた方が購入データに貢献したようです。 

メインユーザーやはやりリタイアした人ですが、ここ5年程、キャンピングカー保有者の平均年齢が48歳から45歳に下がっているというデータもあります。 これはアメリカでITなどで成功した人が、早期退職をしてキャンピングカーでのんびり旅行しているという、話を聞いただけでとてもうらやましい話が原因となっているようです

まとめ

  • コンパクト - セダン、ステーションワゴン、ハッチバックは全体的に売れている傾向にある。
  • ヨーロッパでは、コンパクトカーと小型車が主流。
  • アメリカと中国ではSUVが人気。
  • 日本は車保有者は、その他(おそらく軽自動車)やコンパクトカーが人気だが、車を保有、リースしていないと回答した方も多数。
  • ハイブリッド、電気自動車はメディアでの露出度が高い割には、まだまだ普及していない。
  • RV/モーターホーム/キャンピングカーは数字を見るととても低い普及率だが、伸びている産業でもある。
  • 車を保有、リースしていないという回答も各国の上位にランクインしている。今後、この回答者に対し、どのような戦略を打ち出していくのかが、新規開拓への道なのではないでしょうか。

Synoグローバルトレンドでは、Synoの海外リサーチシステムを利用して、Syno及びSynoのパートナー企業が行ったグローバル調査の結果を定期的にご紹介します。

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